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調査報告
2008年、中国の金融危機対応策
  アメリカの一連の金融危機を受け、アメリカはもとより、ヨーロッパ、日本の危機がすでに実体経済に影響を及ぼしている。アメリカでは不動産市場が大きな崩落を見せた他、GMやフォードなどの自動車工業の巨頭が第3四半期に深刻な損失を計上した。こうした支柱型業界の衰退の兆しが露呈するにつれ、必然的に失業率の増加や収入減少などの問題を招き、さらに多くの人は消費に対する信頼不足に陥り、財布の紐を硬く締め始めている。

  アメリカは依然として世界の経済大国である。今回の経済危機はこれが再起不能を招くかどうか、今はまだ判断ができない状況である。但し予測できるのは、輸出入額が世界貿易総額の15%を占めるアメリカにいったん問題が出ると、世界の各国すべてに対して影響が発生し、輸出志向型経済を主とする国の影響は特に大きい。アメリカ、ヨーロッパ、日本などの発達した経済体が全力を尽くして救済に当たっているとき、中国経済の外部ニーズの後押しによる経済成長に頼っているスタイルが厳しい試練に直面しており、経済の転換を行うべきである。

  サブプライムローン問題が中国の輸出に対し影響する道筋は2つある。1つは直接的影響、つまりサブプライム危機が中米二国間貿易に対する影響で、特に中国の対アメリカ輸出である。2つめは間接的影響、つまりアメリカのサブプライム問題によりEU、日本及び世界経済や貿易に影響を与え、中国の対EU、対日、対世界輸出の成長に影響を与えるルートである。

  中国の輸出は対アメリカ、対ヨーロッパ依存は早くから存在していたが、今回の危機でこのリスクが現実のものと化した。今中国は市場多元化戦略実施の強化を迫られている。目下のところ、中国はラテンアメリカ、アフリカなどの対発展途上国の輸出成長スピードを加速させているが、これは中国が過去に市場の多元化戦略を実施した成果であり、こうすることでアジア、アフリカ、ラテンアメリカ市場の信頼が一層高まったのである。十七大(第17回全国代表大会)で出された自由貿易戦略と結びつけると、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの発展途上国の自由貿易交渉は、発展途上国と周辺国家の市場を開拓し、輸出ルートの開拓における重要な手段である。2008年上半期のデータにもあるように、中国の対米輸出は減少し、その他の市場、特に発展途上国の輸出に消化されており、対米輸出の減少を補っている。現在、中国はアジア、オセアニア、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アフリカの29カ国に12の貿易区を建設し、これらの自由貿易区は中国の対外総貿易額の4分の1をカバーしている。今後中国の自由貿易ネットワークが1歩1歩形成されるに従い、国際市場空間を広げて貿易のルートを増やし、先進国への過度な集中輸出が分散されることだろう。
左から、全国、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、南米、北米、オセアニア、アメリカ
※データ元:商務部国際貿易経済合作研究院
  その他、中国は自国のやり方で全世界の経済動揺における不利な影響に備えなければならない。これはすなわち目を内に向けるということであり、できるだけ早く国内市場の内需の引き上げ強化を始めなければならない。内需引き上げにおける重要一面は、巨大な農村市場の潜在力開放であり、農民に消費できる金を持たせ、消費を増加させることである。

  8億人に及ぶ中国農村の消費市場は今まで需要に乏しく、中国の経済発展におけるボトルネックの1つであった。その原因を追求すると、農村の歴史上、経済の利益補償がなされていない、農地流転価格が低い、農地流転利益が過剰に低い、農村の産業化達成度が低いなどの要素が挙げられ、最終的に農村経済の持続的発展と内需実質性を制約し、中国の経済成長の合理的な転換をも制約しており、病的に投資に依存する状況が何度も現れていた。

  世界の金融危機が深刻化する中、中国の国内需要の問題がキーポイントとなり、農村の経済問題が改革の舞台に上がった。この機会を利用して中国農村経済の土地改革が実現し、国内の経済成長の最適化が実現できるとすれば、長期的に見てみると、全世界の金融市場の不安定が中国にもたらしたチャンスは短期的な市場リスクよりもはるかに大きいと言えよう。
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