会社紹介 業務内容 サーチナの強み 研究領域 インターネット調査
お知らせ 品質管理 主要クライアント 広告掲載 お問い合わせ
サーチナの提供サービス 調査報告 研究コンサルティング
ホーム 調査報告
調査報告
省エネ、環境保護関連市場の見通しは

  中国は近年、省エネ、環境保護に対して大変注意を払っている。これは、中国の経済発展における過程で沸きあがった環境問題にも関わっているほか、中国のエネルギー資源問題にも関係している。中国の資源条件を見てみると、エネルギー資源には限りがある。特にコンベンショナルエネルギーについては世界の総産出量の10.7%を占めているに過ぎず、1人あたりのエネルギーシェアは世界レベルを下回っている。個々のエネルギーについて見てみると、中国人1人あたりの石油採掘量は4.7トン、天然ガス採掘量は1262立方メートル、石炭採掘量は140トン、それぞれ世界平均の20.1%、5.1%、86.2%で、現在中国は世界第2位のエネルギー生産国である一方、世界第2位のエネルギー消費国でもある。

  中国のエネルギー環境は楽観的ではなく、主に次のような問題を抱えている。1つめは室内空気汚染である。2007年の全国市町村住民の家庭におけるエネルギー消費について、55%を石炭とバイオマスエネルギー(薪、藁、メタンガス)に頼っており、農村住民における生活用エネルギーのうち、従来の使用法によるバイオマスエネルギーの利用率は45%である。2つめは大気汚染である。中国は世界1位の石炭消費国だが、近年、中国の家庭用自動車が急速に普及したことも手伝って、大量の石炭と石油燃焼の排気ガスによる大気汚染が深刻である。現在、中国における粉塵と二酸化炭素排出量の70%、二酸化硫素排出量の90%、窒化物排出量の67%は石炭燃焼によるものであり、二酸化硫素と二酸化炭素の排出量はすでにそれぞれ世界1位、世界2位となっている。3つめは生態バランスの破壊である。例えば、中国の広大な農村地域では、薪や枝などが炊事や暖房燃料として使われている。その結果、森の木が破壊され、土壌浸食もますます深刻になっている。
1、省エネ、環境保護関連市場に対する政策強化
  省エネや環境保護はすでに中国の「新興産業」となっており、これを推進するために、国も続々と新たな政策を公布している。国家発展改革委員会は「エネルギー発展第11期5カ年計画」においてエネルギー発展戦略を明らかにし、2010年までに国の1次エネルギー消費総量を27億トン程度に控え、年の平均成長率を4%とする目標を明確にした。現在、石炭、石油、天然ガス、原子力発電、水力発電、その他リサイクルエネルギーが1次エネルギー消費総量に占める割合はそれぞれ66.1%、20.5%、5.3%、0.9%、6.8%、0.4%で、2005年と比較すると石炭と石油ではそれぞれ3ポイント、0.5ポイントの減少、天然ガス、原子力発電、水力発電とその他リサイクルエネルギーについてはそれぞれ2.5、0.1、0.6、0.3ポイントの増加となっている。2010年における中国のリサイクルエネルギーの目標生産高は24.46億元で、年平均成長率を3.5%とし、石炭、石油、原子力発電、水力発電、その他リサイクルエネルギーの比率がそれぞれ74.7%、11.3%、5.0%、1.0%、7.5%、0.5%、2005年と比較した割合を、石炭と石油がそれぞれ1.8ポイント、1.3ポイントの減少、天然ガス、原子力発電、水力発電、リサイクルエネルギーの割合をそれぞれ1.8、0.1、0.8、0.4ポイント増加させる目標である。

  2004年から2007年にかけて、国家発展改革委員会は「省エネ中長期計画」、「先端技術産業第11期5ヵ年計画」、「エネルギー発展第11期5ヵ年計画」を含んだ一連の計画を公布し、新エネルギーの研究と省エネ・環境保護の推進を明確に奨励している。具体的には10大プロジェクトに分かれており、1.石油の節約及び代替プロジェクト、2.石炭燃焼ボイラーと炉の改造プロジェクト、3.地域熱電共同生産プロジェクト、4.余熱余圧利用プロジェクト、5.電機システム省エネプロジェクト、6.エネルギーシステム最適化プロジェクト、7.建築省エネプロジェクト、8.安全照明プロジェクト、9.政府機関省エネプロジェクト、10.省エネ監測と技術サービス体系建設プロジェクトである。国家環境保護総局の初歩的推計によると、第11期5ヵ年計画期間中における中国の全社会環境保護投資額は13750億元に達する見込みで、環境保護産業は15%から17%成長率を保って発展し、2010年には環境保護に関する年収合計が、8000億元から10000億元に達すると予測している。

  一方で、日中関係が進むにつれ、日本との省エネや環境保護関連の提携が徐々に展開されている。日本は世界の環境保護先進国として多くの経験を蓄積している。この方面における日中間の提携は70年代からすでに始まっているが、ここ数年でそのスピードが加速され、2006年5月に東京で開催された第1回日中省エネ環境保護フォーラムでは、中国の国家発展改革委員会と日本の経済産業省が「日中両国の省エネ環境保護領域の提携に関する意向書」に署名し、双方が省エネ環境保護領域で提携を強化することで合意に至った。ポイントは省エネ政策の対話制度を設け、省エネに関する人材育成を展開することである。2006年12月には、中国や日本等5つの国が参加したエネルギー部長会議期間中に、中国国家発展改革委員会と日本の経済産業省が再び協議をし、日中省エネ環境保護ビジネスモデルプロジェクトの提携に合意した。その後の2007年4月、温家宝総理の訪日期間に中国と日本双方が「環境保護提携強化に関する共同声明」に署名し、気候変化問題についての立場を述べ、対話と提携を強化する意向を表明した。2007年9月には、北京で開催された第2回日中省エネ環境保護フォーラムにおいて、双方は引き続き省エネ環境保護領域の提携を深めた。特に今年の5月、胡錦涛主席が日本訪問で神奈川県の川鉄グループ(JFE)のリサイクル工場を見学した際、日中両国が省エネ環境保護領域での提携がより発展することを願っていると述べたが、今後日中間の環境保護関連における提携が更に進む予兆とも言えよう。
2、消費者の環境保護製品ニーズが高まる
  省エネ及び環境保護政策が有利に進む中、消費者の環境保護関連製品の認知や受け入れ、購入意識への転換は非常に重要である。専門の調査経験と業界研究経験を持つサーチナ総合研究所jp.searchina.com.cn)では、2008年5月、全国のモニターに対し省エネ環境保護意識調査を実施し、18歳から35歳の1300名から有効回答を収集した。
1、消費者における環境保護関連製品の購入意向
  下記グラフのとおり、モニターにおける省エネ・環境保護関連製品の購入意向は強かった。多くのモニターが、同じ条件であれば環境保護関連製品を優先して購入すると回答し、購入しないとした人は0.7%を占めるに過ぎなかった。この結果から、中国には環境保護関連製品に対するやや高いニーズが存在すると言える。
  消費者の環境保護関連製品に対するニーズが大きい理由として、1.所得水準の上昇により消費者自身の生活品質が向上し、周辺環境へのニーズに大きな変化が表れ、飲用水、空気、緑化、電磁波防止、安全食品などに高いニーズがある。これは現状と対立していることによるもので、特に現在の飲用水、居住環境、食品の安全性に関しては人々の関心が集まっており、環境保護関連製品に更に大きなニーズをもたらしている。よって低電磁波の家電製品、安全な装飾材料、飲用水浄化設備などの製品は大変人気が高い。2つめに、国民が受けている教育レベルが普遍的に向上しており、国民全体の素質の向上と、省エネや環境保護への意識が強くなっていることが挙げられる。3つめは、国の政策と世論の影響である。現在中国では国の政策が省エネや環境保護産業に傾注しているが、これに関連する宣伝、情報、施設が次第に一般民衆の生活に滲み込んでおり、意識が強化されている。
2、消費者が環境保護関連製品を購入するきっかけは
  省エネや環境保護関連製品を購入する理由について聞いたアンケートでは、多くのモニターが「環境保護のため」と回答し、その他「健康によい」、「エネルギー問題の解決」との声も多く見られた。また「特に理由が無い」や「おしゃれだから」という回答は少なかった。当初筆者は「経費節減のため」という回答がもっと上位に来るのではないかと考えていたが、アンケート結果は予想とやや違っていた。一般に家庭における経費節約は個人生活に関わる問題だと思うが、アンケート結果では、これが主な購入理由として上位に上がっておらず、逆に環境保護やエネルギー緊張の緩和など国の方針的要素が消費者の購入動機となっていた。消費者が環境保護関連製品を選ぶのは、もはや経費節約や健康の為など個人的な理由ではなく、環境保護やエネルギー問題を意識したものとなっているようだ。
3、消費者における環境保護関連製品の選択情況
  引き続き何を買うときに環境保護関連製品を購入する傾向にあるかを聞いたところ、「家電製品」と答えた人の割合が一番高かった。次に「家具、室内装飾関連」、「日用雑貨」が続いた。「自動車などの交通手段」を選んだ人も少なくない。一方で「住宅」、「衣類、装飾品」などと答えた人の割合はやや低かった。
  消費者がこのような選択をするのは、市場の現状に関係している。今、市場で一番宣伝が多く、すでに一般民衆の生活に溶け込んだ製品は、そのほとんどが家電や家具などである。例えば、節電効能の高い家電、騒音が小さいテレビ、安全性の高い環境保護型内装材料等は消費者の購入意向が強い。一方で自動車、住宅、衣類などに関しては、まだ概念の存在の認知という段階に留まっている。例えば、新エネルギーを利用した自動車や省エネ建築などは消費者にまだよく理解されておらず、更に市場の製品もまだ少ないことが消費者の購入意向に影響している。とは言っても消費者のこういった製品に対する購入意向を排斥してはならず、今後新エネルギー自動車が普及するにつれ、消費者の購入意向は日に日に大きくなっていくに違いない。
3、省エネ・環境保護関連市場の趨勢
  現在のところ中国の省エネ環境保護市場はまだ開放を待っている段階であり、省エネ・環境保護関連製品のタイプ、種類、範囲、販売の普及が健全ではない。また消費者が認識でき、且つ市場で購入できる商品がまだ少なく、科学技術量の低さから理想的な効果が得られていない。これに関しては現在向上が待たれ、市場の潜在部分となっている。長期的には、省エネ・環境保護関連市場は大きな調整と開発段階を迎え、今後のポイントは以下のようになるだろう。
1、省エネ環境保護型エネルギー自動車は最も大きな潜在力を有する
  新エネルギー自動車には混合動力車、ハイエンドディーゼル車、純電力車(BEV、太陽エネルギーを含む)、水素燃料電池車、天然ガス車、アルコール燃料車などがある。現在中国は混合動力車と電動系自動車の2つを新エネルギー自動車の発展ポイントに据えており、一定の基礎条件を有している。国は省エネと新エネルギー自動車を将来の自動車科学技術発展における優先カテゴリーとして「国家中長期科学技術発展計画綱要(2006—2020」に組み入れており、今後も中国の自動車発展の重点カテゴリーとなると思われる。今年の4月末、国家発展改革委員会が公布した第164期製品ディレクトリに、一汽グループ、上海GM、上海VWなど3種の混合動力セダンと北汽福田、一汽グループ、重慶長安汽車、東風自動車の4種の混合動力大型バスを含む、計7種の新エネルギー車が初めて盛り込まれた。新エネ車の集中した「純正証」取得と量産モデル開発の活性化は、政府がまもなく公布する補助政策のポジティブサインとなっている。
  環境保護について、国は次々と「乗用車燃料消耗量制限」、「新能源汽車生産準入管理規則(募集意見書)」などの強制的基準を出したほか、この数年の間に「自動車クリーン行動」と「国家863計画電気自動車重大特定項目」を発動させた。政府は、これら政策を出すことによって、新エネルギー自動車が自動車産業の主要な発展方向であることを告知している。
2、家電や家具が環境保護発展の主力に
  現在の省エネ・環境保護領域においては、家電や家具、室内装飾系製品が関連製品の大多数を占めている。その中で比較的消費者の歓迎を受けているのが、省エネで安全性が高く、寿命が長くて安全な小型家電製品である。例えばハイアールが発売したオリンピック家電製品(※)はすべてが環境保護と省エネの2重機能を持っている。冷蔵庫を例に取ると、1日あたり電気消費量は0.39度で、一般の冷蔵庫より0.81度少なく(一般冷蔵庫は1.2度/日程度)、年節電量は296度に達する。もし中国市場にある1.3億台の冷蔵庫が全てこのような冷蔵庫に代替されるとしたら、年の節電量は385億度になり、大亜湾原子力発電所3基分の発電量に相当する。更に例を挙げると、方太の換気扇「後免拆洗時代(使用後の取り外し洗い免除)」、美的(メディア)の「抛物線火(放物線状ガス火)」のガスコンロ、帥康のZTD100-03QBF型消毒レンジ、櫻花が発売した新製品はすべて省エネ、環境保護、健康的機能を備えている。多くのメーカーが自社技術の長所を利用して省エネ関連の策略を打ち始めている。
※オリンピック家電製品とは、北京オリンピックが掲げているテーマ「緑色奥運、科技奥運、人文奥運」の1つ緑色奥運(グリーンオリンピック:今回のオリンピックでは安全性の高い環境保全製品の使用や資源、生態バランスの保護を持続することを謳っており、当局はオリンピック会場の建設、調達、物流などにおいてできる限り環境保護のマイナス的影響を抑えるよう指導している)を意識して製造された家電製品の総称。
3、省エネ・環境保護関連製品は消費者主な購入対象に
  市場には消費者が選択できる省エネ・環境保護関連製品が多くないが、巨大なニーズを排斥することはできない。これは消費者の省エネ・環境保護意識が絶えず向上していることと、環境保護関連製品が普通の製品より多くの長所を持っていることによる。消費者の立場から言えば、省エネだけでなく、健康によいことも重要で、ハイセンスのエアコン「鼎」シリーズ、科竜が今年勢力を挙げて販売している定速エアコン「風潮」シリーズ、美的の熱循環エアコンなどは省エネの機能レベルを更に高いグレードへアップさせ、騒音や振動を低減し、室温コントロールが実現できている。サムスンのエアコンKFR-35GW/FWBの「おはようモード」では、眠り始めの段階では適度に温度を下げて入眠させやすくし、熟睡段階では室温程度に調整して眠りの質を向上させ、起床段階では温度を変動させて大脳を覚醒させて自然と起きられるようにするなど、より質の高い睡眠を享受できるようにしている。このほか、省エネ・環境保護関連製品は消費者の経費節約に貢献している。家電や自動車はやや高い使用コストがかかるが、使用コストの削減は省エネ・環境保護製品の主な長所となっている。製品を例に取ると、春蘭のエアコンKFR-23GW/VJは、日本の東芝の技術を採用した新世代の美芝コンプレッサーにより冷却時に約20%の節電が、発熱時には25%程度の節電が可能である。
  全体としては、国の省エネや環境保護に対する政策が相次いで公布されるに従い、多くの企業が環境保護関連市場に参入している。国の環境保護部門が公表した数字によると、全国の環境や省エネ技術の開発、生産、経営企業は10000社余り、従事者は300万人強、年生産高は1000億元以上である。中国商務部の情報によると、将来3年で、世界の省エネ・環境保護関連設備の注文の30%は中国からのものとなり、市場規模は3000億ドルに達するという。今後消費者の省エネ・環境保護関連製品への巨大なニーズと消費意識の高まりに従い、省エネ・環境保護産業は本当の夜明けを迎えることとなろう。
(データ元:中国商務部 中国期刊ネット 中華人民共和国環境保護部オフィシャルサイト)
<< 前へ >> << トップへ >> << 次へ >>
日本サーチナ | 請負業務 | サイトマップ | 提携先
Copyright© 2002-2010 Searchina(ShangHai) Co., Ltd.
滬ICP備07032342号   渉外調査許可証:国統渉外証字第0485号