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調査報告
果汁飲料市場は動態的セグメントが発展の鍵

  燃えるような暑い夏の足音が近づいてきた。それは人々に涼しさをもたらす果汁飲料の最盛期が訪れることを意味する。ここ数年、中国の果汁飲料の生産販売量は急速に増加し、2008年3月28日の上海証券報によると、2007年1~10月期の中国果汁及び果汁飲料の生産高は900数万トンに達し、昨年同時期と比べて25%増加した。業界の急速な発展を横目に、多くの飲料業者果汁というカテゴリーに参入を試み、既存の大手果汁飲料メーカーは積極的に新しい市場を求めて、新商品の開発を進めている。サーチナ総合研究所(jp.searchina.com.cn)では、果汁飲料の最新ニーズを把握すべく、今年5月にアンケート調査を実施し、全国大・中都市の果汁飲料消費者を分析対象として、消費者の果汁系飲料に対する訴求ポイントや、市場細分ポイントの研究を試みた。競争が激しいこの市場に参入する企業の参考となればありがたい。

  近代マーケティングの父と称されるコトラーは、「現代における戦略マーケティングの中心となるのは、市場セグメント、ターゲット市場と市場ポジションである。」と述べている。果汁市場の発展過程を見渡すと、実は市場を繰り返しセグメントした過程だとわかる。

  中国の大手果汁飲料メーカーである匯源は、最も早くから果汁飲料業界に参入した企業である。当時は、健力宝やコカコーラなどの炭酸飲料が飲料市場を主導していたが、匯源は果汁という潜在力に秘めた市場に目をつけ、100%の純果汁飲料というコンセプトで市場参入し、そこから一挙に果汁飲料における強大なポジションを獲得した。果汁市場参入の成功の後、匯源は消費者の違う味わいの果汁に対する好みをセグメントして、桃やオレンジ、キウイ、りんごなど多くの果汁飲料を開発している。パッケージにおいても単一的なものから多元化しており、今では果汁業界における正真正銘のリーディング企業となっている。

  ところが1999年以降、多くの飲料メーカーが次々と果汁飲料市場へ参入し、中でも先に参入した統一の「鮮橙多」は突如市場に現れ、並ならぬ成績を挙げた。これを見て、康師傅、コカコーラ、農戸山泉などが追随して果汁飲料市場に参入、そしてそれぞれが一定のシェアを確保した。これらのメーカーを見渡すと、彼らが正確に各自のセグメント市場を捉えたことが勝利に結びついたと言えよう。例えば統一の「鮮橙多」は、消費者に「綺麗」というコンセプトを伝え、若い女性の眼を引きつけたし、康師傅の「鮮の毎日C」は青年世代に自然の健康というコンセプトをアピールした。またコカコーラの「クー」は児童に目を向け、農夫山泉は栄養成分をより備えた混合果汁飲料を開発して市場参入するなど、それぞれが明確なターゲットを持っている。

  以上各メーカーのセグメント例を紹介したが、基本的には各社とも消費者層に対して静態的な細分をしている。中国の果汁飲料市場は、最初の導入期から成長期に移行し、静態的な細分による多くのセグメント市場が形成されているが、時間が経つにつれ、消費者のニーズが味や効能などの動態的ニーズへと変わりつつある。その上、このようなニーズはいずれ他方面に転換する可能性も秘めており、例えば農夫山泉などは、消費者の「栄養」という動態的ニーズに対してセグメント市場を勝ち取ったのである。
  上の図からわかるように、各社が過去のマーケティングの過程で打ち出した「健康によい」という訴求ポイントに関しては、どのメーカーも消費者のニーズに程遠い結果となっている。その原因を探ってみると、多くの消費者が果汁飲料の糖分量が高すぎると感じており、肥満を招くことを懸念している。また食品添加剤を含んでいることに対しても、これらが健康に対して不利益であることを消費者はきちんと理解している。メーカーは今後十分に消費者のニーズを捉え、低糖もしくは純天然果汁商品を開発し、消費者ニーズにアピールしたい。なお、健康以外の、ほてりを抑える、消化によい、美容によいなどの効能に関しても、消費者ニーズに適ったメーカーはまだ現れていないようだ。しかしこれらは確実に消費者のニーズであり、これを満たす商品がでれば、間違いなくこの市場を押さえることができるだろう。

  競争が激化している果汁市場でトップの地位を得たいのならば、自社に適したセグメント市場を探し出し、差別化を図ることが経営の鍵となろう。現在単一的な静態的セグメントでは、すでに適したターゲットが見つからず、市場シェアの獲得が難しくなっている。よって動態的セグメントに目を向け、絶えず変化する消費者ニーズを逐次観察し、自社資源を効果的に利用した製品を開発することで、競争に勝ち得ることができよう。
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