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調査報告
中型車市場における車種分析及び発展予測

  中国消費者の自動車に対するイデオロギーにおいては、自動車後部にトランクがあるものを「驕車(セダン)※」と言い、特に中高年の消費者はこう呼んでいる。この消費観念の影響を受けてか、セダンの中国市場の販売量は年々増えており、おおらか、落ち着き、内に秘めた感じを与えるセダンは消費者からの注目はもちろん、その肉厚な利益を求めて、多くの自動車メーカーの競争が絶えないマーケットとなっている。

  サーチナ総合研究所jp.serachina.com.cn)では2008年5月、中型車市場の車種特徴などを研究すべく、全国のモニターに対して中型車市場に関するインターネット調査を行った。男女比は1:1で、収集した有効サンプルは2000件である。

※中国語においてはセダン(Sedan)を表現する言葉が2つ存在し、1つは「三廂車」、もう1つは報告にある「驕車」である。「三廂車」は正式な自動車分類名称、「驕車」は「三廂車」の伝統的名称として使われている。中国語の報告書原文では中高年のセダン消費者は特に「驕車」と呼んでいることが多いことから※印の箇所で特に「驕車」という表現を用いている。
1、中型車市場の現状
1、中型車の市場特徴
  中型車市場は、小型車と高級車との間に介在している。価格敏感度に関しては小型車市場より低いが、ブランド敏感度は小型車のそれより高い。よって中型車の市場競争においては、ブランド、技術、デザインと価格を総合的に対比した、緻密な市場セグメントや車の品質、ポジション確定が必要とされ、これはその自動車の販売量が左右する重要な要素である。
2、中型車のセグメント市場
  2-1、公用車市場:主に各級政府機関、事業者、国有企業を指す。購入時にはブランドや後部座席の高級感、乗り心地、豪華装備、安全性をやや重視する。外観デザインはやや控えめなモデルを購入する傾向にあり、価格敏感度はやや低い。

  2-2、商用車市場:企業の高級、中級管理職への貸与車、私営企業高級管理職の個人的使用車を指し、購入時にはブランド、購入後の使用コスト、新鮮感、豪華さ、ビジネス用途(客人送迎、ステータス表示)の適合性と、それに応じた技術の先進性、コストパフォーマンスを重視している。

  2-3、個人市場:純粋な個人購入市場を指し、自動車の商業的用途に対する要求はない。購入者の多くは都市部の中高収入層で且つ既婚の子持ちが多いが、高収入の若年ホワイトカラーもいる。購入目的は主に生活の質を向上させること、自身のステータスを誇示することにある。また主に関心を持っているのは、新鮮感、ファッション性、技術の先進性、運転操作性、運転席装備、ブランド知名度、安全性、コストパフォーマンス、使用コストなどである。
3、中型車所有の70%が「トップ3」に集中
  サーチナ総合研究所が行ったインターネット調査のデータによると、消費者が所有している中型車のブランド分布を見ると、アコード、マツダ6(日本名:アテンザ)、パサート領馭がそれぞれ24.8%、24.8%、17.7%を占め、70%近くのモニターの所有車種がこの3ブランドに集中していた。 市場セグメントと製品ポジショニング要求のやや高い中型車市場においては、消費者の多くが好む車種が必然的にターゲットの消費特徴に符合する。よってここで「トップ3」の特徴を探り出せば、マーケットニーズの発掘に有効であり、これを製品開発に融合させることで、市場競争において有利な地位を保てると考える。
2、「トップ3」の特徴分析
  中型車市場の「トップ3」がわかったところで、以下具体的にこの3車種についてその特徴を見てみよう。
1、パサート領馭(PASSAT)
  ◆ターゲット市場:公用車及び商用車市場
  ◆車種特徴:落ち着き、おおらか、ビジネス
  パサートが中国で成功を収めたのは、複数の要素が共に功を奏していることによる。その要素とは、落ち着きのあるビジネス車という市場ポジション、ドイツ系自動車であること、寛大な外観、豪華な後部座席空間、堅固たる品質と装備内容、緻密な造り、「おおらか」「貫禄」といった中国人の好みにマッチしたデザインなどが挙げられる。 サーチナ総合研究所が収集したデータを元に作成した分析図を見てみると、消費者のパサート領馭に対するイメージとして挙げられたのは、「ブランドの歴史が長い」、「ブランドが信頼できる」、「品質が信頼できる」、「性能が高い」であった。パサート領馭の消費者層としては、年齢が30-40歳程度の中産階級で、部門マネジャーや個人経営、医師、高級ホワイトカラーが多い。彼らの特徴としては、成熟、落ち着き、内に秘めた感じやセンスを重んじる傾向にあるが、消費者が抱いているパサート領馭のイメージと市場ポジションが一致していることが、同車種が中型車市場で長く支持されている主な原因となっている。

  サーチナのパサート領馭ユーザーに対する調査では、この車のデザインは「落ち着きがある」、「信頼できる」、「平凡でありながらありふれていない」という感じを与えているという回答が得られた。この広く、貧富の格差が比較的大きな、美的センスの地域差も大きな中国という地で、パサート領馭の持つ、先駆的ではないけれども時代に取り残されることのないデザインが、大多数の消費者のニーズに適ったようだ。
2、マツダ6(MAZDA6)
  ◆ ターゲット市場:個人市場
  ◆ 車種特徴:個性、スポーツ
  マツダ6が中型車市場で成功している理由は、個人市場のなかでも特にスポーツ系中級車というポジションで差別化を図っているからだと言える。しかもパサートやアコードのようなビジネス車競争をうまく避け、一定の経済力がありながら個性や自由を追求する個人的ニーズを満たしていることにも一因だろう。マツダ6の持つ堅固なシャーシー造りや優れたコントロール性が自動車界で「カーブのプリンス」という名声を呼んでいる。また晴れやかなアウトライン、優れた安全性を備えていることも、個人のスポーツ系中級車市場を先取りしている理由となっている。
  サーチナ総合研究所が収集したデータによると、消費者がマツダ6に抱いているイメージは、「コストパフォーマンスがよい」、「個性的」、「種類が多い」が多く、これは他の中型車と最も大きく異なっている点である。マツダ6のターゲットは25-35歳の比較的若い層で、生活の品質と個性を重視し、スポーツや感情に熱いという特徴を持っている。マツダ6はスポーツ性に富んだフェイスデザインを備え、10.1秒という0-100km/h加速度と、多彩なカラー展開で消費者のニーズを満たしている。また15-22万という価格帯についても、中型車市場において比較的良好なコストパフォーマンスを有しており、マツダ6が中型車市場で他車種に引けを取らない優勢さを保っている理由となっている。
3、ホンダアコード(ACCORD)
  ◆ ターゲット市場:商用車及び個人市場
  ◆ 車種特徴:ハイテク感、落ち着き、個性の融合
  この車の市場ポジションは「落ち着き」と「個性」とのバランスポイントにある。アコードはホンダが持つ科学技術の長所を体現しており、外観的にはパサートほどビジネス色が強くはなく、マツダ6ほど個性に溢れたデザインではないものの、多くのうねりやラインを備えており、両者の特性に配慮したバランス取りに成功している。
  この車の市場ポジションは「落ち着き」と「個性」とのバランスポイントにある。アコードはホンダが持つ科学技術の長所を体現しており、外観的にはパサートほどビジネス色が強くはなく、マツダ6ほど個性に溢れたデザインではないものの、多くのうねりやラインを備えており、両者の特性に配慮したバランス取りに成功している。
  サーチナ総合研究所が収集したデータによると、消費者のアコードに対するイメージは、「技術が先進的」、「外観デザインが良い」、「新しい製品を次々と出している」という意見が多かった。調査で得られた消費者のアコード認知とメーカー側が訴求しているポイントが一致しており、この車が中型車市場で成功を収めていることがうなずける。

  中型車市場において、商用車を購入するならばパサート領馭を、スポーツカーが好きだがその実用性から中型車を選択するのであればマツダ6を、公用、商用車として使用したいがそれほど正統な車を求めていないならば、アコードの選択が正しいだろう。アコードはホンダの業界をリードする科学技術を充分に発揮した2.4L自然吸気エンジンを装備し、心地よさとスポーツ性に配慮しながらもデザイン性に富んだシャーシーを備え、コントロールパネルの多層設計と中央コントロールボタンの配列に見事なハイテク感と、工夫を凝らした科学技術テイストが感じられ、アコードの持つ総合的な実力は相当なものである。アコードには、スポーツ性、豪華さ、ビジネス性のそれぞれが少しずつ兼ね備えられている。最も重要なのは革新的な融合で、個人市場と商用車市場の2つの市場を押さえ、中型車市場の未開の分野を巧みに攻めている。
4、中型車市場の「トップ3」 特徴のまとめ
3、中型車市場の発展予測
1、スポーツが伝統を打ち破る
  長い間、中型セダンのイメージはおおらか、落ち着き、内に秘めた感じを与えるというもので、消費者層も成熟したビジネスマンという定義を当てはめられていた。しかし今年、スポーツ性、ファッション性に富む中型車が相次いで世に現れ、国内の中型車市場にセンセーションを巻き起こした。その代表がマツダ6とフォルクスワーゲンの邁騰(MAGOTAN)である。この両モデルの出現によって、国内の伝統的な中高級車市場に分化が進んでいることが示され、伝統を打ち破ったスポーツ系中型セダンが新しいセグメントとして成り立つようになった。これは将来の中型車個人市場において特に明らかな傾向となるだろう。
2、複合型中型車市場の見通しは明るい
  中型車にとって、スポーツ性のある風格がブームを呼んでいるものの、ビジネスニーズへの対応も忘れてはならない。先ほど触れた邁騰やモンデオ、新アコードに至るまで、中型車市場の勢いはますます強くなるばかりだが、ビジネスと個性の両者に配慮したモデルに今後ますます人気が集まり、「ビジネス」「個人」といった両極に対応したモデルではなく、両者をうまく融合した、複合型中型車市場の見通しがより明るいと考える。これは自動車市場全体の成熟度と中型車消費者の若年化に大きく関係している。
3、自身の特徴を堅持している車は依然として市場に君臨
  中国の中型車市場では、広い室内空間に対するニーズに刺激されて、新しくも出るチェンジされる中・高級セダンの多くは、室内空間のサイズアップを図っており、例えばホンダの新アコード、日産の新ティアナは従来の車長寸法を長くしてより高級なセダンに仕上げている。一方でマツダ6は唯一自車の風格を堅持してサイズアップせず、中型セダンらしい調和の取れたバランスを保っている。易車ネット(BitAlto.com)という自動車ポータルサイトの2008年5月の自動車販売数データによると、現在新マツダ6の月平均販売台数は依然として5000台以上であり、他の販売台数を圧倒的に上回っている。この事実は多くの中型車が本来の自分の領域でない分野に邁進してもその価値はなく、自身の特徴を堅持したモデルが依然として市場から重視されていることを物語っている。
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