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調査報告
都市における安全要素とは
  アメリカの心理学者マズローは欲求段階説で、人間の欲求を生理的欲求、安全の欲求、親和(所属愛)の欲求、自我(自尊)の欲求、自己実現の欲求の5段階に分けた。そのうち、中国では一般に1、2段階をまとめて「温飽段階」(暖かく衣服を着られ、お腹いっぱい食べられるという一般庶民生活レベル)、3、4段階を「小康段階」(いくらかゆとりのある生活)と呼んでいる。さて、欲求段階説の2番目に挙げられている安全の欲求だが、こうして平和な時代に生活していても、自分は本当に安全なのだろうかという問題は常に気にかけておくべきだと考える。サーチナ総合研究所jp.searchina.com.cn)では、中国人の都市安全に関する認識や見解を把握するべく、頻繁に国内を出張するモニターに対し関係の調査を行った。日本人ビジネスマンの方にもいくらか参考にして頂けるものと思う。
1、都市の安全に影響を与えるソフト、ハード指標
  出張者は居慣れた環境と見知らぬ環境間を遊離することで、往々にして「人間真空」状態に陥り、安全感の不足を感じていく。では、我々は出張前に出張先の安全に対しどれだけ注意を払っているだろうか。都市安全に関する要素に対する中国人モニターの回答を見ると、下のとおり、都市の公共秩序、文明度、犯罪率、交通秩序という4つが安全感に影響を与えるポイントだ考えていることがわかった。これらは直接的に都市の安全に影響を及ぼすものである。我々はこれをハード指標と呼ぶことにする。
  都市の公共秩序には公共場所の秩序と社会管理秩序などを含み、社会が有効に運営される為の核心であるのみならず、生命、財産の安全と経済発展の基礎や前提となるものである。文明程度は主に都市の人的素質により体現されるもので、都市の安全と正比例する。都市犯罪率は都市の治安の安定具合が測れるもの、都市交通は主に都市の交通秩序が安定しているかを判断する指標である。

  一方で、失業率、貧富格差、外来人口数といった要素(先ほどのハード指標に対して、これらをソフト指標と呼ぶ)もモニターから注目されていた。これらの要素は都市の安全と直接的な関係を示すものではないが、非常にカギとなるポイントである。例えば失業率が高く、貧富の格差が膨大した又は、外来人口が増えたとき、都市管理がうまく働かない場合には、都市の安全が大いに脅かされることとなる。
2、地域差が顕著な中国各都市の安全性
  都市安全要素のソフト、ハード指標はそれぞれ自身の特徴を発揮しており、都市安全の「両手」となっている。ハード指標の良し悪しは直接都市安全に影響するし、ソフト指標の良し悪しも間接的にその安全性を左右させる。ここでは、先ほどモニターが挙げた重要視する都市安全要素の上位4項目のハード指標を元に、都市安全性の評価をしてみた。評価方法は、各都市の4つの要素に対する評価をし、各要素における「比較的良い」の割合に平均をかけ、都市安全の総合ランキングを算出した。結果は以下のとおりである。
北京―首都としてその治安は真っ先に管理されている。オリンピック開催も関係して、安全性ランキングは1位であるのは当然のこととも言えよう。

上海―経済発展にとって、治安は重要な要素。中国経済の中心として、上海の安全は首都に次ぐ評価を得た。

杭州―想像を超えるような経済発展を遂げている都市として、「上に天堂(天国のこと)あり、下に蘇杭(蘇州、杭州)あり。」と歌われるだけでなく、気候条件や人的素質が共に本当の天国という名誉を築きあげるべく、安全性についての評価も高かった。

その他、南京、大連、青島、蘇州、香港などの沿海都市の安全性評価もやや高かった。逆に、鄭州、広州、瀋陽、長沙などの都市の安全性評価はやや低かった。
3、都市安全建設の強化とポイントの突出
  上記の結果より、長江デルタ一帯と北方沿海都市の一部では安全性がやや高かったが、中国中部などの都市については、モニターの印象がやや悪かった。では、どうして都市安全性に、このように明らかな地区格差が存在するのであろうか。

  長江デルタ周辺都市と北方の沿海都市は、気候条件、地理的条件、経済の安定的発展などにより、ハード、ソフト各指標の処理が比較的適切である。ただ、北方の一部都市では、経済発展自体があまり好ましくない為、モニターからの評価が低かった。一方の中部地区について、現在、西部大開発の足並みがすでに西部に到達し、一部の大卒生はこういった未発達地区の開発を自ら望んでいるが、更に多くの努力を必要とするだろう。広州については、経済が比較的発達している一級都市であるが、安全性評価は高くなかった。これは外来人口が多すぎることに由来する治安状況の不安定がモニターに良くない印象を持たれているものと考える。

  改革開放後の長い間、人間は経済の発展、科学技術の進歩、生活レベルの向上についての追求が社会のマイナス問題についての注目を上回っていた為、安全感は顕著な社会問題となっていない。しかし経済の発展と社会の進歩に従い、人間たちの社会発展と人の幸福に対する認識が一層高まっている。この中の1つが、公共安全に対する認識と感受であり、人々の民衆の安全感の高まりを受け、政府の管理項目の1つとなっている。今後中、西、北部の安全性が低い都市の建設強化を推進し、国民の安全イメージを高める必要がある。同時に、外来人口問題や貧富格差問題、失業率などのソフト指標についての処理にもポイントを置くべきだと考える。
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